子どもの孤立化
地域の子育て力の低下
- 少子高齢化で、一緒に遊ぶ子どもの数が少なくなった。
- 塾や習い事に通う子どもが増加し、遊び相手がいなくなった。
- 近隣の学校が廃校となり、遠方の学校にスクール・バスで通学する児童生徒数が増加した。
- 両親共働きが当たり前となり、親子の会話や一緒に過ごす時間が減った。
- 核家族化で、多世代交流が少なくなったり、きょうだいが少なくなった。
- 近所付き合いが希薄になった。
- 子ども会などが減少し、地域でのつながりが少なくなった。
- 小学生ですらスマートフォンを持つ時代。顔と顔を合わせたコミュニケーションが希薄になった。
- 農業などの様々な自然体験の機会が減少した。
- 周囲とのコミュニケーションに課題がある発達障がいと診断される、もしくは疑われる子どもが増加した。
- 外国にルーツのある子どもが増加した。
親の孤立化
- 共働きが当たり前になり、家事や子育てに時間をかけられない。
- 核家族化や、近所付き合いが希薄になったことにより、子育てで相談できる人、頼れる人が周囲にいなくなった。
- 離婚率が増加し、ひとり親世帯が増加した。
- 家庭内暴力の認知件数が増加した。
自己肯定感の減少
将来の展望が見えない
悩みを相談できない
- 様々な体験活動の減少により、達成感を味わう機会も減少した。
- SNS社会で、常に周囲の「空気を読む」子どもが増加した。
- ロール・モデルとなる知り合いや先輩が存在しない
子育て世帯の困窮化
子どもの貧困
所得格差 ⇒ 子どもの学歴格差 ⇒ 経済格差(貧困の固定化)
- 非正規雇用の増加など、労働環境が悪化した。
- 少子化により大学全入時代となった。中高卒では安定した職を得にくくなった
詳しくは、以下の報告書をご覧ください。
茨城県 保健福祉部 青少年家庭課(2019年3月)『平成30年度茨城県子どもの生活実態調査報告書』
そして、以下のような現象も生まれています。
- いじめなどによる不登校の児童生徒が増加した。将来のひきこもり予備軍に。
- 虐待を受けた子どもの認知件数が増加した。
- ゲーム依存症の子どもが増加した。
- 運動能力や基礎体力が減少した。
- 給食が一日で唯一の食事になっている子どももいる。
- 虫歯や視力の悪化がそのまま放置される。
- 家族旅行や誕生日にお祝いをされる機会が少ない子どももいる。
- 「フルーツがデザートに出た!」と、子ども食堂で驚く子どももいる。
- 子どもが経済的に困窮している状況を隠すようにな る。身なりは普通でも、実は困窮している。
- 家庭で培われてきた当たり前の生活習慣(早寝早起き、出された宿題を終わらせる、食べたら歯を磨く、毎日お風呂に入るなど)が身についていない子どもも増加している。
- 生活保護や就学援助、児童扶養手当の受給世帯が増加し、国民全体の税・社会保障負担が増加する。
- 格差社会がさらに進み、経済的格差が固定化すると、今度は階級社会につながる。
9つのコ食
- 独りでご飯を食べる「孤食」
- 同じものばかり食べる「固食」
- 家族それぞれバラバラなものを食べる「個食」
- 子どもだけで食べる「子食」
- 必要以上に食事を制限したり、食欲がない「小食」
- 外食ばかり食べる「戸食」
- パンや麺類など、小麦粉製品ばかり食べる「粉食」
- 濃い味付けばかり食べる「濃食」
- 朝食欲がなく、食べない「虚食」
相対的貧困とは
上記で言う貧困とは、発展途上国の飢餓、絶対的貧困とは異なり、「相対的貧困」と言います。経済的な理由により、「他の子にとっては当たり前なのに、自分にはチャンスがない」という機会のはく奪が多くある状態を指します。自分だけ貧困を感じるというのは、精神的に負担が大きいものです。
(注)全ての子ども食堂が、上記の課題全てに取り組んでいるわけではありません。子どもの貧困対策を目的に掲げておらず、居場所づくりや孤食対策に取り組む子ども食堂が多く存在します。